もしかするとここはサバンナかもしれない。
朝焼けの丘の上に立つ鉄塔が、キリンの群れのようだった。
スポンサーサイト
--年 --月 --日 (--) --:-- | 編集
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
犬小屋のはなし
2014年 08月 22日 (金) 20:15 | 編集


 駅へ向かう途中、いつもそれが目に入る。
 近所の家の庭にぽつんと置かれた犬小屋だ。中型犬が居心地良く入れそうな大きさのシンプルな小屋だ。けれどその中に暮らしているのは犬ではなく、がらくたとか庭掃除の道具とかそういったものだけだった。
 犬小屋の古さと使用用途から考えればもはや物置と呼ぶに相応しいのかもしれない。とはいえその形から誰が見ても犬小屋と分かるし、やはり犬小屋は犬小屋だ。
 そもそもいつも通る道にある家とはいえ、家人とは面識がない。本当に通り道にあるというだけで、本当ならば印象にも残らず見過ごしてしまうようなそんな家だ。
 それがただ犬小屋があるというだけで私の記憶に強く残り、通る度庭に視線が奪われてしまうのはやはり寂しげな犬小屋のせいなのだった。

 そこにあるのは諦念と未練、そして貞操のようなもの。
犬小屋の主は既に亡く、その後継として他の犬を飼うということはせず、けれども捨てるには惜しく、かと言ってそのままでは寂しく、結果としてあの犬小屋にはたくさんのガラクタが詰められているのだ。
 物置という口実を作って、かつての愛犬の居場所を、面影を、留めておく。
 そういうものを見ると私の心は喪失感でいっぱいになる。名も知らない、姿形も声も知らない他人の犬の事で悲しくなるというのは滑稽な話だ。
 それでも笑えないのは、きっと誰しもいつか大切な誰かや何かを喪って、その抜け殻を捨てられず、その残り香に胸を締め付けられながら生きることを強いられる日々が訪れるからかもしれない。あるいはもう、そんな風に生きているからかもしれない。

 今日も私はその道を通る。
 胸の奥にほんのわずかな痛みを覚えながら。
スポンサーサイト
「待合室」公開しました。
2014年 03月 11日 (火) 22:58 | 編集
ご無沙汰しております。壱介です。

久々に小説を更新したのでお知らせです。
ひとつ下の記事にあるのでご覧ください。
雪の日の待合室のお話です。

事の始まりは2月8日の雪の日。
宮本さん(正面)が考えた話を面白そうだなあと思っていたら「書くといいよ」と言われたことでした。
なので冒頭の文章の一部は宮本さんが考えたものです。
僕自身、結構待合室や電車という密室が好きで、特に電車は他のお話の中でも時々出していましたし、魅力的な題材でした。
本当は女の子がニコニコしながらガラケーをぽちぽちしてるけど、画面を覗いたら電池切れて真っ暗だった、やべえこれ逃げないとっていう話にしたかったんですがそれ以上思い付かなかったのでこうなりました。

ふわっとした話になってしまいましたが、春が来るまでに完成して良かったです。

それではまたいつの日か。
待合室
2014年 03月 11日 (火) 22:41 | 編集
 何分、いや、何時間経ったのかもどうでも良くなってきた。ここが本当に待合室なのかも、電車が来るのかということも。何分前、何時間前か忘れたけれど、帰らなきゃいけないと喚いて、外は危ないという皆を振り切り待合室を出ていったおっさんは、家に帰れたのだろうか。そもそも僕には帰る場所なんて、初めからないのだからこのままここにいることが安心なのかもしれない。
 雛が卵に包まれ産み落とされ、雌鳥に温められて孵化を待つように、僕らはこうして電車が来るのをじっと待つ。
キリン電波製造所
2013年 01月 06日 (日) 21:15 | 編集
ブログの方ではずいぶんとご無沙汰しております。
こちらだけご覧になっている方にはお久しぶりです。

実は昨年から別のブログを開設しており、そこで毎日更新という無謀な挑戦をしておりました。
ただの日記ではなく、ちょっとした時間に読める短いお話を載せていました。
毎日。

前々からちょっと思い付いた短いお話を載せる場所が欲しいなと思っており
ちょうどはてなブログの正式サービスが始まって試しに登録しており
ななみさんが毎日写真を撮っていることで自分も何かできないかなと考えていたし
新年なので何か初めて見ようとしていたという
実にナイスタイミングだったのです。

それから惰性と強迫観念とで続けてきました。
全部のお話を見たいという方はこちらから↓
http://giraffe1ewt.hateblo.jp/

全部を見るのは大変だから、という方には自選ではありますが気に入った作品とその解説を簡単にしたものをまとめておきました。

デジカメ購入。
2012年 02月 28日 (火) 21:33 | 編集
504227588

カメラを新調しました。
copyright (C) 朝焼けの丘の上に立つ鉄塔が、キリンの群れのようだった。 all rights reserved.
designed by polepole...

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。